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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■1999年10月のニュース一覧
▼[1999.10.31]9つ目の季節
▼[1999.10.30]すぐそこにいるアダルトサイト
▼[1999.10.28]恋の現れのひとつとして
▼[1999.10.27]デジタル読書読本
▼[1999.10.26]その目の光の先の未来
▼[1999.10.25]お礼かねがね…m(_ _)m
▼[1999.10.24]Drive To 2000,Return To 80's
▼[1999.10.23]図書のお姉さんの腕章を探して
▼[1999.10.22]性悪説論者に対して人は
▼[1999.10.21]エミュロムの価値
▼[1999.10.20]彼を愛することができるのも人間
▼[1999.10.19]ウェブの地平線
▼[1999.10.18]深くて暗い河が生む喪失
▼[1999.10.17]世界をビットにしてあげよう
▼[1999.10.16]記憶を醒ますワイヤードの…
▼[1999.10.15]カリスマの手腕や如何に
▼[1999.10.14]アドビ君とMS姫の微妙な関係
▼[1999.10.13]お金で呼ばれるリザルト
▼[1999.10.11]パソコン販売店の明日
▼[1999.10.10]お買い物相談役をめぐる争い
▼[1999.10.09]IP撒く人
▼[1999.10.08]秘密結社をぶち壊せ
▼[1999.10.07]雲間にかすむ星空
▼[1999.10.06]神の領域へ
▼[1999.10.05]宇宙は遠いからこそ宇宙
▼[1999.10.03]秘密のメッセージを探り出せ!
▼[1999.10.02]アンリアルの戸惑い
▼[1999.10.01]オールウェイズ・バグズライフ

■1999年11月のニュース一覧
■1999年9月のニュース一覧


  [1999.10.31]
  9つ目の季節


 ▼祝発売! Mac OS 9発売日レポート@秋葉原イケショップ(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/9910/30/n_oike.html


 OS X(テン)への,中継ぎ役と目されている,OS 9。先進の機能と,そこへと辿る中途半端さとの,同居が目につく。目につくほどだからこそ,,,目に見えない部分の改善が目覚ましい。

 待ち望まれていたアップル社のマックOS 9は無事に市場デビューを飾った。開店前から,秋葉原イケショップ前には6人,T-ZONE前には約20人が並んだ。だが,OS販売の恒例であった深夜のカウントダウンイベントが行われなかったため,販売の現場でも売れ行きの状況を把握しきれないでいる。まだ予想しきれない段階ではあるが,それでも感触は悪くないようだ。

 私は9月中頃に直販のアップルストアに注文していたのだが,今朝の10時30分くらいに届いた(寝てました)。当初,各販売店では深夜0時からのカウントダウンイベントを行う予定だったが,アップルから中止の命令。これは多分にアップルストアの客に対する配慮と感じられる。さて,さっそくインストールしてみて,戯言をいくつか…。

 いきなりインストール前にファームウェアアップデートが必要です,とか出てあせりました,面倒です。んで無事起動後。ランチャーソフトのDragThingでいきなり文字化け(T_T)(画像)。これについてはMacWIREが原因と解決法を提示している。が,はっきりいって面倒臭いのでやってない(-_-)。アップル一押しのSherlock2だが,日本語サイトが全然少ない(画像)。というか,「人々」「ショッピング」「ニュース」「リファレンス」「Apple」には日本語のサイトなし,何をやってたんだアップルJ(--#),もうちょっと働いてよ。一番嬉しかったのは,警告音が新しいものに変わりました(^^ゞ(画像)。あと,音声認証(画像過去記事)なんですが,むちゃくちゃ認証されるのが難しいです。自分が入れなくなりそうで,怖くて試せません(-o-;)。…でも使いはじめてから半日程経ちますが,フリーズやハングアップがまったくない…。これはすごいかも…(ホントならネ(^^ゞ))。




  [1999.10.30]
  すぐそこにいるアダルトサイト


 ▼オンラインポルノの増加率が著しく減少,オンラインショッピングが増加(INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/1029/wsense.htm


 ネットワーク普及の最大のファクターは,誰が何と云おうとアダルトサイトだった。多くの人が住み着いて,さらにそのポジションは確たるものになる。すぐそこにあるアダルトサイトは,欲求を満たすまで,拡大し続ける。

 インターネット上のウェブサイトの分布状況を調査しているウェブセンス社が,最新の調査結果を発表した。それによると,この6ヶ月にオンラインショッピング関連サイトが140%の増加率を示したのに対し,オンラインポルノサイトの増加率は48%だった。97年以来,ポルノサイトの増加率は常に100%を超えていた。

 ウェブ上では,ちゃんとリンクをはっているところなら,どんなところからでも15回以内のクリックで18禁のサイトにたどり着けるという。それは一流企業のサイトだろうと,宮内庁のサイトだろうとかわりはない。永田町や霞が関には風俗街はないが,政府のサイトや官公庁のサイトからも,それほど多くないページをたどることでドスケベなページに達することができる。それは,ウェブの世界の,狭さか,広さか。

 私は絶対にそんなところには近づかない,なんて云ってても,朝日新聞10月29日10時30分現在のトップ記事のすぐ隣にも,それはある_かも_しれない。「高速でタンクローリー爆発。午後6時ごろ,東京都港区南麻布首都高速道路で,劇物過酸化水素を積んで走行中のタンクローリーの部分が爆発した。(22:28)」(よい子は朝日新聞の記事に興味を持っちゃダメよ(^^ゞ)。…減ったといっても5割増に増えている。ある調査によるとポルノを含んだページは,8億ページの1.5%,すなわち1200万ページという(ZDNet Newsの記事)。その5割ということは,6ヶ月で600万ページずつ増えてるんだってんだから,呆れるべきか,感心するべきか,ねぇ(参考:2ch BBS 21禁掲示版)。




  [1999.10.28]
  恋の現れのひとつとして


 ▼恋に悩めるハッカー,Microsoftサイトに侵入(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9910/27/lovesick.html


 「恋」というものをあえて定義するとすれば,それは「ハック」と同義かもしれない。不可侵であるものを侵していく,伎倆と快感。そして道徳とモラルとをなぎ倒していく,行動力。

 ウェブサイト攻撃の記録で定評があるattrition.orgの報告によると,フリップズと名乗るハッカーによって,米国マイクロソフト社の一般公開されていないサイトのひとつが書き換えられた。フリップズは,過去に米国政府関連サイトや米国陸軍の関連サイトなどを数多くハックしていることが確認されている。フリップズが書き残したラブレターに似た文章には「f0bic」という言葉が含まれており,9月にFBIに逮捕されたハッカー集団「Global Hell」のチャド・デイビス容疑者との関連性が指摘されている。

 MSのサイトに書かれた文句は「フリップズがやってきた。フォービック,君のセクシーボイスが僕を一晩中楽しませてくれたよ,へへへ。世界を救え。ビルを殺せ。(flipz was here and f0bic, your seksi voice helped me through the night heh. Save the world. Kill Bill.)」だそうです(WIRED NEWSの記事)。これがラブレターに読めるかどうかはまぁほっといて,結局はFBIとハッカーのサイバーウォーの一形態であることは間違いない。フォービックと名乗る人物たちがデイビス氏逮捕を受けて,FBIに報復行動に出ている(過去記事)。

 だが,そう簡単にニュースを読んでしまうのもつまらない…,とにかくマイクロソフトのアドレスのうちのいくつかに侵入が行われたのは事実のようだ。FBIへの当て付けなのか,ハッカー同士の行動を示す現れなのか,はたまた本当にフォービックさんへの愛の言葉だったのか(^_^)。なんにせよ,関係ないのに威厳を傷つけられたゲイツ君の心境や如何に。どうせなら,本当にゲイツ君にラブラブな乙女にでもハックしてもらいたいものですな。ハックもまた,恋の現れのひとつ,ってね。




  [1999.10.27]
  デジタル読書読本


 ▼その昔,本は紙でできていた…(MSNジャーナル)
  http://journal.jp.msn.com/worldreport.asp?id=991025takahashi&vf=1


 一昔前には,ウォークマンをみんなが着けて,街中で音楽を気軽に聴くことなど考えもしなかっただろう。それと同じく,街中で小型ウインドウの中の本を読むことを今は考えられない。だが,きっとその日が来ることを,今の世の中から読み取ることができる。

 インターネットなどからデータを取り込み,パソコンや携帯端末で読む電子書籍が活気づいている。アメリカではオープンeブック規格が制定され,環境が整った。日本でも,450タイトルを販売している光文社電子書店ボイジャー社のT-Timeを利用した青空文庫などで,電子書籍が提供されている。電子書籍なら一瞬で全文検索が可能で,居ながらにして本を買える。本を買いすぎて本棚があふれることもなく,重さがないので何冊だって携帯できる。石油不足で紙の本の生産が制限されることも考えられ,電子書籍への需要は高まりそうだ。

 紙の文章をそのままデジタルに持ってきて,定着するものとは思えない。大きな違いとして,紙の文字は反射体である。紙に強く強く染みついて釘付けられている。対してモニタや液晶パネルの文字は,発光体。常に拡散し,チラチラと動いているのがわかる。その違いは大きいはずで,発光体には発光体にあった文学や文章があるはずだ。まだ人は,デジタルで読むための文体を生み出していない,のかもしれない。

 人間は,紙の本に対して一種のフェティシズムを抱いている。その厚み,その手触り,その匂い。古本屋はリサイクルのためだけでなく,蒐集されるべき本それ自体に価値が見いだされている。紙の本は決してなくならない。だが,デジタル読書の扉は開かれている。デジタルに合う文体が見つけられていき,フェティシズムを生むような端末,またはフェティシズムを超えるような便利さを持つ端末が開発されていくこと。これが紙の読書から,デジタル読書へとうながす「鍵」であると思うのだが。




  [1999.10.26]
  その目の光の先の未来


 ▼Netscape共同創設者のMarc Andreessen氏が第二の新会社を設立へ(ZDNet News)
  http://www.ed-news.com/column/col007.html


 強い目の光を放つ男。その強さは,未来の姿をも変質させる。個人向け製品で一世を風靡した男が,企業向けサービスで新たな道を作ろうとしている。彼の先に,道ができていく。

 94年にネットスケープ社を設立したマーク・アンドリーセン氏が,「VCellar」のコードネームで新会社設立の準備を進めている。その新会社は,アプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)市場を扱う。だがこの分野は現在,マイクロソフトIBMオラクルなどソフトウェアのトップ企業がしのぎをけずっている。アンドリーセン氏は,元ネットスケープ社のメンバーやインターネットのベテランなどを揃え,多くの会社からの出資が見込まれている中,因縁のライバル・マイクロソフトを打ち倒すチャンスを手にしようとしている。

 ワイヤードの始まり,モザイクを開発した彼がネットスケープ社を設立したとき,まだ彼は22歳だった。イリノイ大学の学生だった彼らは,ネットスケープという万華鏡の中に,もうひとつの世界を作り上げていった。そこになんでもあることを教え,そこに自分の場所を持てることを教えてくれた。ウェブの基本理念となるハイパーテキストを創ったテッド・ネルソンやヴァニヴァー・ブッシュ(過去記事),ウェブの基本構造を造ったティム・バーナーズ・リー,ジョン・ポステル,ビント・サーフらがいたことは理解している。それでも,アンドリーセンの,センスと,革新さと,大胆さがなければ,今のワイヤードは存在していなかった。これはまぎれない真実。

 ワイヤードには,そんな強い目の光を放っている人物が幾人かいる。そしてその視線の先に,未来が見える。ビル・ゲイツ(変な目の光を放ってる人ですね:-P)のマイクロソフトに徹底的に痛めつけられた男は,誰よりも早く,サーバーマシンも,その上で動くアプリケーションも,運用サービスも,すべて含めて提供するASPの繁栄をとなえていた。その目の光の先を,見逃すな!




  [1999.10.25]
  お礼かねがね…m(_ _)m


 ▼アクセスされるサイト構築法(1)リピーターを大切に(ED-News的コラム)
  http://www.ed-news.com/column/col007.html


 今日はいつもとちょっと趣を変えて…,私からの言葉を。

 サイトの訪問者は2種類,新規訪問者とリピーターにわけられる。しかし新規訪問者を獲得するための出来事(サーチエンジンの登録や他ページからのリンク)はあまり多くないので,サイト運営者はリピーターを大切にしたいもの。リピーターが求めるものは,蓄積された情報,または情報の変化。そのために更新内容がわかりやすいサイトの構築が必要である。

 小欄も以前に比べ,ずいぶんいろいろな方に見ていただいているようで,感謝しております。他にいろいろあるニュースサイトのようにとんでもない情報量を誇っているわけでなく,特に専門分野に秀でているわけでもなく,ほそぼそとやっているので,それにおつきあいくださってありがたいかぎりです。リピーターの方の求めているものとはかけ離れているかもしれないところで,自分の楽しさまかせにやっているサイトなので,せめて記事中にある「リピーターを遠ざける3つの方法」だけは守るようにと思っとります。

 Impress INTERNET Watchに連載されているホームページ安全講座最終回中の「表現の痛みと覚悟」は身につまされる話であります。あまり相手が見えないから云えること,というのもある。適当に云ってしまうこともある(^^ゞ。リピーターはそんなことからも離れていくことはあるでしょうし…,その結果こちらが思わぬ痛みを感じることもあるかもしれない。不思議な空間の,不思議な表現と思います。とりあえず,今日は日頃のお礼も含めて…(参考ソース:■すてっぷ ばい すてっぷっ!さん)




  [1999.10.24]
  Drive To 2000,Return To 80's


 ▼ライブハウス「新宿ロフト」が「Drive To 2000」でMP3による音楽配信を実施(ZDNet Internet Channel)
  http://www.zdnet.co.jp/internet/news/9910/19/news05.html


 キッチンからモーターハミング,リズムボックス・リズムに駆け巡るエンドルフィン,今日はロフトに行こうかツバキに行こうか…なんてサカエちゃんとしゃべりながら…。

 新宿ロフトは10月25日から31日にかけて開催するイベント「Drive To 2000」で,MP3による音楽配信を行う。10月25日から31日までのイベント期間中,その日に行われた演奏から数曲を,MP3にエンコードしてオフィシャルページで配信する。現在はイベントに先駆け,出演者の楽曲が置かれている。

 ツバキハウス,キーウエスト・クラブ,ピカテン,ナイロン100%に屋根ウラ,そんでもって新宿ロフト。ニューウェイヴロックとテクノポップが駆け巡ったライブハウスと,空騒ぎのお店たち。…盛り上がっているのに中身はなんにもなかったと呼ばれる80年代。その80年代を連れてきたイベント「DRIVE TO 80's」が,今年は「Drive To 2000」として再現される。その様子をMP3で配信とのこと。なんか80年代に栄えたロフトの色にMP3は似合わないけど,趣旨としてはぴったり。

 チカちゃんに立花ハジメ, 鮎川マコトさん,近田春男とビブラトーンズ,ムーンライダースにP-MODEL,東京タワーズ,戸川の純ちゃんにハルメンズ,ミチロウさんのザ・スターリン,ヒカシューなどなど,80年代のロフトを駆け巡っていった人たちの幾人かは今回のイベントでも名前をみることができる。来週は押し入れの奥から引っ張り出したLPと,MP3で,2000年へドライブするのも悪くない(参考文献として岡崎京子『東京ガールズブラボー』でした)。




  [1999.10.23]
  図書のお姉さんの腕章を探して


 ▼ブリタニカ百科事典のネット無料公開に人気殺到(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3230.html


 図書館で見かけた図書の腕章を付けたお姉さんは,本の中から来たのだと云う。本棚が乱れて,本の世界と現実の世界が崩れていると云うのだ。見ると,本から飛び出した兵士たちや妖怪や艶っぽいお姉さんたちがうろうろしている。やっと本を片づけて,ふと手にした本を見ると,腕章を取り忘れたピーターパンのウェンディの姿があった,とさ。

 19日に公開されたブリタニカ百科事典の全内容を無料公開したブリタニカ社のサイトは,初日に1200万から1500万ヒットを記録,予想以上のアクセスにサーバーダウンした。このサイトは32巻セットの百科事典の全内容と,世界中の新聞のニュースや速報,有名雑誌からの抜粋記事などを提供,広告だけで運営される。

 ワイヤードの存在価値の一端が,地球上のすべての文字文化を保存し自由にアクセスできるデータベースの構築,というテッド・ネルソン氏ザナドゥにさかのぼるとしたら,britannica.comは,その理想郷に近づく飛び道具となる(過去記事)。200年以上の月日を費やしてきた世界最大の知の宝庫と呼ばれる辞典は,ワイヤードに来るべくして来た存在だ。一日二日でできるものではない百科事典の編纂の歴史は,それ自体に価値がある。

 重くて大きい百科事典は,なにか目的を持って調べるだけでなく,何気なくぺらぺらとめくって,なんてことなく興味があるものないものに目移りしながら読んでいく楽しさがある。ウェブ版はそれに比べて,探し物を探すという目的意識が今は大きいけど,ユーザーがワイヤードに入り込めば,ぺらぺらと流し読みすることもできるだろう。どうせ仮想の空間であれば,辞書の中の出来事や空間などをすべて体感できるかもしれない。戦争の世界も,妖怪たちの世界も,メルヘンの世界も,どんな世界でも構築できる。その始まりがサーバーダウンという笑い話だったということも,まぁご愛嬌ということで…。




  [1999.10.22]
  性悪説論者に対して人は


 ▼DVDをパソコンで不正コピーするソフトが問題に(日経エレクトロニクスONLINE・無料ユーザー登録が必要)
  http://ne.nikkeibp.co.jp/d-contents/1999/991020dvd.html


 世の中は悪いやつらでいっぱいだ。下手するとすべての価値をむしり取られて,素っ裸にされてしまう。それでも,価値のある商品は,普及していくものだ。

 コピー防止のための技術であるCSS(content scrambling system)を不正にくぐり抜け,DVD-Videoの内容をパソコンに複製するツールがウェブサイトで配付されはじめ,DVD関連企業の頭を悩ましている。このツールには,暗号化された内容を解除し,再生可能な状態でハードディスクにコピーするものと,地域による再生制限を解除するものと2種類が存在する。日本では10月1日から,コピープロテクトを回避する装置を公開・使用・販売すると,刑事罰の対象となる法律が施行されている。

 4.7GBの容量を持つDVDビデオの中身をハードディスクにコピーするってことは,それ以上の容量のハードディスクが必要ってことですな…(当たり前)。プロテクトをきちんと持っているDVDだが,PCで利用することが多いことで,ハックするツールはにあったりする。CD-ROMに取って代わる,ビデオテープに取って代わると云われているDVDだが,それにはある程度の規制の削除が手っ取り早い手段。

 海外で買ったDVDを再生しようと思ったら再生できないとか,バックアップ用にコピーしようと思っても全然できないとか…。はなから悪いことをしようというのではなく,そんな規制が見えてしまうものは,それだけで一般消費者は手を引く。性悪説を唱える製品が爆発的に普及することはないんだったら。




  [1999.10.21]
  エミュロムの価値


 ▼無断複製のゲームソフト公開 北大生宅捜索,札幌(Mainichi INTERACTIVE)
  http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/archive/199910/20-6.html


 すでにそのソフトは生産中止,そんでもってハードも生産なんかしていない。それどころか中古屋でも見かけないようなゲームでも,心に残る名作はある。そんなロムに出会った喜びは,なにものにも代えがたかったりも,する,けどね。

 北海道警生活経済課は20日,「ドラゴンクエスト」や「ロックマン」など市販のゲームソフト数百本のデータをホームページに公開していたとして,著作権法違反の疑いで,21歳の大学生宅と大学の研究室などを家宅捜索した。ソフトを複製されたコンピューターソフトメーカー数社は告訴を検討している。

 これは,エミュロムか? 最近ロムサイトをめぐる機会がなかったので詳しくはわからないが,エミュロムがそれほど盛り上がっているというわけでもなさそうだし,なぜ今?という疑問が浮かぶ。そんなに派手派手しく,たち悪くやっていたのなら仕方ないが。その行為が著作権を侵害していることは,重々承知の上で…。でもドラクエっすよ。きっと1ですよ,竜王とか出てくるやつっすよ(^^ゞ。ドラクエVIIの発売日決定(HEART BEATのページ)が取り上げられているときに13年前に出したゲームでがたがた云わんでも…,というのは悪質な意見でしょうか?

 ファミコンのゲームなんてもうエミュ以外ではやれんやないかい,という意見もある。メーカーはきっと,ドラクエ1はスーパーファミコンでもゲームボーイでも出してますと云うだろう。けどファミコンのをそのままやりたいんぢゃい,復活の呪文も打ちたいんぢゃい(←ぉっ)と云ったときに,メーカーはファミコン本体とカセットを再生産してくれるのだろうか。わがままな意見だろうけど,どこまで対応してくれるのか聞きたいなぁ。




  [1999.10.20]
  彼を愛することができるのも人間


 ▼感情に目覚めたウェアラブル・コンピューター(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/3218.html


 人間がコンピューターを人間として付き合うなら,きっと彼はその能力を発揮してくれるだろう。彼は,道具でも奴隷でもない。そんなふうに考える人間の思い上がりを,彼はちゃんと感じ取れる。ほんとに,ちゃんと感じ取っているんだったら。

 10月20日に開幕予定の1999年サンズ*ブレス会議では,「感情に関してインテリジェントで,反応的」で,「たまたま人間ではなく,ハードウェアとソフトウェアであるようなアシスタント」としてのコンピュータについて考察される。現在のコンピューターは,自分のせいでユーザーが激怒したり,ストレスを感じたりしていることを判断できない。コンピューターをより敏感なものにすることで,人間と技術の関わり方の効率を上げることができる,と,この会議のプレゼンテーターは述べている。

 ウエアラブルはいつでもどこでも,自分にぴったりとくっついていてくれるアシスタントとなってくれる(過去記事)。メールが届いたらすぐ知らせてくれるし,わからない言葉はすぐに調べてくれる。聞いたことのない言語を瞬時に同時翻訳してくれるかもしれない。目に見えることなく,体に密着しているコンピュータは,現在のノートパソコンや携帯電話などの便利さを最大限にあらわしてくれる。

 だが,コンピューターが大いなる発達を遂げても,コンピューターが人間の機嫌を取っているだけでは,限界があることは想像がつく。コンピューターを道具として扱っているうちは,コンピューターは人間の本当のアシスタントにはなりえない。「彼」をちゃんとわかってあげること,そして理解すること。そのとき,ウエアラブルは最高の伴侶となる。




  [1999.10.19]
  ウェブの地平線


 ▼Webを見る時の画面解像度は800×600が最も多い(impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/1018/display.htm


 最近の若いもんは,平気で[[<table width="800"…]などと書きおる。嘆かわしいことだ。ウェブを作るときは最大でも[<table width="600"…]なんだと考えていたものぢゃが。わしなんか,ほれ,目をつぶってても600と打ってしまうわ。だいたい今の若いもんは………。

 インターネットユーザーの動向やトラフィックなどを調査している米国ウェブサイドストーリー社は,10月12日時点のウェブユーザーの解像度の調査結果を発表した。それによると,800x600の人が54%でいちばん多く,次いで1,280x1,024の25.78%,640x480の12.72%と続いている。総じて,解像度の向上が見受けられる。

 横幅600ピクセルと云うのは,640x480の解像度のモニタから,ブラウザの枠と縦方向へのスクロールバーの横幅を引いた,一般的にウェブを作る際の基準の横幅という考えがある。だが今や,それを大きくオーバーしているサイトは少なくない。Windowsユーザーで,ウインドウの最大化を利用している人も増え,ブラウザは縦長ではなく,横長のものという基準もある。ある意味,ウェブブラウジングの進化の過程なんだろう(私はどうもなじめないでいる古い人間なのだなあ(^^ゞ)。ちなみに当ページのアクセスログを見ると,640x480は1.1%と,1600x1200(3.6%)よりも少ない。でもでも,ウェブは大は小を兼ねない。いちばん小さいものに合わせる「余裕」は必要とも思うのだが…(そう,こういうサイトに余裕は感じられない)。

 地平線が自分の目の端から端までしかないと思っているうちは,まだ人生の大事なことに気付いていない。地平線は,自分を取り巻く円となって,無限に繋がっている。だが,自分の意志で見つめる地平線から,日は昇る,日が沈む。ウェブの地平線はどこまでも繋がっているが,たとえ小さな視界でも,そこに自分の地平線を見つけることは可能なのだ。




  [1999.10.18]
  深くて暗い河が生む喪失


 ▼AppleがG4の措置を明らかに(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/9910/16/n_apg4.html


 そりゃ予約を全部取り消すことは我が身を切ることかもしれない。でもそれは,ユーザーになんの恩恵も与えない。ユーザーの欲しいものとの差異のあいだで,失われているものがある。

 アップル社は,15日,パワーマックG4シリーズの仕様変更と予約注文のキャンセルによる混乱に関して,正式に謝罪した。同社の通販システムであるアップルストアでは,顧客に対し,すべての予約を取り消すというメールを流したが,その後,アップル社はそのメッセージは販売が延期された500MHzのみだと訂正,他の機種はスペック改定のまま出荷すると発表していた。アップルのスポークスマンは,G4の予約注文のほとんどすべてをキャンセルすると語った。だが,一部で報じられているスペックダウンしたシステムの値下げ(CNET JAPANの記事)に関しては,正しくないと付け加えた。

 アップルに関する混乱はもうちょっと続きそうだ(過去記事)。アップルストアでの販売分の予約をやり直すという結論は,ユーザーに「あきらめさせる」だけのこと。販売店に回ってしまった分は,もっと深刻な事態となっている。日本の販売店の店頭では,出回っているG4 400MHzが人気となっている。そりゃあそうだ。来月からは30万以上になるものが,今なら19万円台で買えてしまう。購入を考えている人なら秋葉原まで走ってでも手に入れたいだろう(^^ゞ。

 新しく19万円台で売らなくちゃいけないG4 350MHzが来ても,コンシューマー機であるG3 400MHzを積んだiMac DV(148,000円)に食われかねない。店頭でどちらがいいかときかれても,G4の機能を最大限に発揮するベロシティー・エンジンを利用できるソフトが少ない現状では,長所をあまり説明できない。販売店にとってはエライ迷惑な値上げとなっている。なによりもクロックスピードが少ないのは聞こえが悪い(MacWIRE ONLINEの記事)。まぁ,ユーザーにとっては,欲しいのは謝罪なんかじゃないんだよなぁ…。




  [1999.10.17]
  世界をビットにしてあげよう


 ▼IBMが,容量73Gバイトで回転数1万rpmのHDD「Ultrastar 72ZX」を発表 (Nikkei BizTech News!)
  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/prom/84989


 この世界が一枚のディスクに入れてしまう。そこで生活する人々,そこで行われる政治,そこで行われる哲学,そこで行われる恋愛…。そのひとつひとつがビットとして記憶されていく…。

 米国IBM社は15日,記憶容量が73GBのハードディスク「ウルトラスター72ZX」などの製品を発表した。現在のハードディスクの最大容量は米国シーゲイト社の50GM。それを大きく上回った。ウルトラスター72ZXは,回転数1万rpm,22個のGMRヘッドを使い,面記録密度は7.04Gビット/1インチ平方,読み出し時の平均シーク時間は5.3ms(ミリ秒)。IBMは2000年第1四半期の出荷開始を予定している。

 「ニューヨーク公立図書館の1フロアの全書籍を格納してもまだ余る」というハードディスク。リムーバブルディスクでは,イスラエルのC3D社が,150GBのディスクを発表し,さらにテラバイト(100GB)単位まで研究を進めているという(WIRED NEWSの記事)。1枚のディスクはより多くの情報を詰め込んでいき,キロからメガへ,そしてギガからテラ(1TB=1024GB)へ,そして,ペタ(1PB=1024TB)の単位へと突き進む。現在の磁気ディスクから,ホログラフィックなどの素材を利用した媒体にレーザーによって読み書きする光学式ディスクへと移行した先には,そんな世界が見えてくる。

 そこでは,画像や映像や3Dなどを飛び越え,リアルが内包されるかもしれない。リアルの情報のコードをすべて,1枚のディスクに焼きこめば,データのバックアップではなく,リアルのバックアップというのもありえるのか? リアルには目に見えない記憶容量が存在するが,いつか,デジタルの記憶メディアがそれを追い越す。世界は無限のビットで構成されていくんだ。




  [1999.10.16]
  記憶を醒ますワイヤードからの…


 ▼匂いを出すウェブ製品(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/3206.html


 「あたりにはサンダル,眼鏡,茶碗,箸などがころがり,あぶらっぽいような,淫らなような匂いがねっとりとよどんでいた。」(開高健『夏の闇』)。そんな,記憶に焼き付く匂いが,ワイヤードから漂ってくる。

 米国ディジセンツ社は13日,インターネットに匂いを持ち込むソフトとプラグイン機器の計画を発表した。それによるとアイスメルという匂いのオイルが入っている機器をパソコンに繋ぎ,インターネット上から匂いのプロフィールを受け取り,匂いを出す。これは,香水などの商取引,ジェット燃料の匂いのするゲーム,たき火の匂いのする映画などに利用できるという。

 ワイヤード上で,五感を感じれらる時も,来るだろう。今現在は,視覚と聴覚は十分として,味覚・臭覚・触覚はまだない。あまり普及するとは思えないディジセンツ社のシステムも,将来的なバーチャルリアリティースペースをつくるための一助とはなるかもしれない。そう,ワイヤード上で,五感のすべてを感じることができる,そんな空間。構築されたら,リアルとワイヤードの境は,本当になくなってしまう。

 なにげに触覚は,いちばん早く一般化するかも。アダルトな利用法で,爆発的に普及する可能性あり(^^ゞ。味覚も需要は大きいだろう。コンニャクみたいなものに味のプロフィールを付着させ,食べ物の味を伝達することは不可能ではなさそうだ。だが臭覚はなぁ…。甘い苦いしょっぱいと味を表現する言葉は多いが,匂いを表現する言葉は,日本語に限らず極端に少ない。それだけプロフィールの作成が難しいということ。だが,記事中にあるように,臭覚は強く記憶を残る。焼け焦げた匂いで火事を思い出したり,親しい人を匂いで思い出すこともある,それも他の感覚よりも鮮明に…。ワイヤードから漂ってくる匂いが,大事な記憶と結びつく。人はワイヤードの匂いに泣くことも,笑うことも,ある。




  [1999.10.15]
  カリスマの手腕や如何に


 ▼新iMacの一部機種は出荷延期か?iBookも入荷量少なく,初日店頭販売は困難に(NIKKEIMAC.COM)
  http://mac.nikkeibp.co.jp/mac/hotnews/9910/imac6.shtml


 最近調子に乗っているという(^_^)アップルだが,好調な業績の発表とともに伝えられたのは,各製品の深刻な供給不足。さて,驚異的な勢いでアップルを復興させたスティーブ・ジョブズは,この難局を無事,乗り切れるのか,否か。

 10月16日にアップル社から発売予定の新型iMacのうち,最上位機種のiMac DV スペシャル・エディションと廉価モデルのiMacが,少なくとも1〜2週間ほど出荷延期になる見込みだ。ミドルクラスのiMac DVと,ノート型のiBookも出荷量は少なく,店頭に並ぶ可能性は低い。また,ハイエンド向けのパワーマックG4は,400/450/500をそれぞれ,350/400/450MHzに差し替えて出荷する。500MHzの供給が思わしくないことから,CPUの周波数を下げて(値段は50MHz高いもののまま)販売する(NIKKEIMAC.COMの記事)。

 特にG4のニュースは前代未聞かもしれない。CPUの周波数を50MHz下げといて値段はびた一文変えないなんて…。400MHzを予約しておいたのに350MHzが届いて値段は変わらない…。米国のマック関連の掲示板(Appleinsider forum)では,ふざけんなこら予約取り消しぢゃいわれ凸(`_'),と云う書き込みが見受けられる。

 これに対するジョブズのコメントは「この仕様変更でG4への需要に応えることができる。しかも,依然としてペンティアム3を凌駕するほど高速だ」だって(アップルのニュースリリース)。すごいなぁ,こんなこと云えるなんて(^^ゞ,さすが経営のカリスマ。だがiMacとiBookの遅れはアップルにとって生命線を断ち切られることになりかねない。クリスマスまでに供給が安定するかどうかで,アップルの株価はまた乱高下しそうだ。




  [1999.10.14]
  アドビ君とMS姫の微妙な関係


 ▼Adobe web site crashes Explorer?(MacFixIt)【英語】
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/3180.html


 街の町人の息子アドビ君は,自分の商売のためになんとかしてMS姫に取り入れられようと必死です。今まで隣の豪邸に住む林檎姫に注いできた愛も中途半端にして,MS姫に目を向けます。でも,MS姫はどうもあんまり興味がないようで,アドビ君はちょっと将来に不安を感じはじめています。

 最近デザインをリニューアルした米国アドビ社のサイトのあるページを,マックOS8.6上のマイクロソフトインターネットエクスプローラーで訪問した場合,クラッシュしてしまうという報告が寄せられている。これに対し,米国アップル社のJavaチームのメンバーは,アドビ社のサイトで変則的なJavaScriptが使用されており,それがIEを処理不能状態に陥られることを確認している。

 ということで,マックでIEを利用している人は↑のページは行かないほうがよいでしょう。試しにやってみた私のIE4.5Jもちゃんと固まって,ついでにOSもフリーズさせてくれた…(T_T)。ちなみにネットスケープでは,な〜んともない。ページは,アクロバットのサポート質問コーナーのような内容で,初心者も多く訪れるだろう。ソースを見ると,どうもアドビのゴーライブによって作られているようだが,アドビほどの企業が,マック版,ウインドウズ版の,ネットスケープ,IEでそれぞれチェックをしないわけがない,と思うのだが…。

 そんなにMSが嫌いかアドビ(^^ゞ。確かにウインドウズ版をこのところきちんと出しているのは,マック版だけでは金儲けにならないという単純な理由。金だけの義理なら,恩まで売ることはない。アドビは業績好調に見えて,その先ははっきりとQuark Xpressに対抗するDTPソフト「インデザイン」にかかっていることは目に見えている。もしインデザインがDTPの主流になることができずに敗れ去れば,アドビは生き残る術を失ってしまう。本当にクオーク社に乗っ取られる危険性さえなくはない。フォトショップやイラストレーターは,インデザインが描く未来を築けなければ,おまけでしかないんだ。そのためにも,ウインドウズDTPをMSが推し進めて欲しいのだが,なかなかそうは行ってくれない。MSに対する憤りや如何に,というクラッシュなのでした(←かなり勝手な想像(^_^))。




  [1999.10.13]
  お金で呼ばれるリザルト


 ▼どんな問題も解決してくれる新「便利屋」サイト誕生(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/3180.html


 荒涼の大地から,必要な検索結果(リザルト)を呼び出す。サーチエンジン,メーリングリスト,ニュースグループ,掲示板…。だが,巡り合えぬリザルトもいる。そのときいちばん簡単なのは,現実とおんなじ,お金を使うことなのかなぁ。どうもそうは思えないけど…。

 米エキスパートセントラル・コム社は8日,ウェブ上で4700人の鑑定士や専門家にあらゆる質問ができる,相談受付サイトをオープンした。無料で質問に答えてくれる場合もあるが,質問内容によっては,専門家と料金の交渉をすることになる。サイトがオープンしてから最初の数時間で,17万5000人が質問を寄せてきた。

 ウェブ上の掲示板には教えて君がいっぱいいる。アングラサイトでは,このソフトのシリアルを教えてくれとか,このソフトを置いてある場所を教えてくれとか,あまりにも質問が多くなってそれだけの掲示板になっていることもある。質問すること自体は悪いことではないのだが,掲示板の質を下げたり,著しく礼儀を欠いたり,過去のログをおろそかにするようなこともあって,反発を食らうことも多い。だが,もし運良く答えてくれる人がいたとしたら,こんな手っ取り早いことはない。自分がなにもせずとも,リザルトが向こうからやって来てくれるんだから。

 現実の社会では絶対巡り合えないような知識を持った人物とも,ワイヤードでは巡り合うことができる。ウェブ上のどこかにあるリザルトが探し出せなくても,その人物と巡り合えれば問題は解決する。だがしかし,情報が共有されるということは,あるひとりの人物の知識が共有されるということではない。あらゆるすべての知識が共有されるということだ。なにも提供しないものに,はなにも提供されない。そう,エキスパートセントラル・コム社のサービスは,あっさり簡単に,お金を提供することで,情報を提供してくれるに過ぎない。それはワイヤードにとって,なんの発展にもならないんだけどね。




  [1999.10.11]
  パソコン販売店の明日


 ▼Skateboard(Mac the Fork)
  http://member.nifty.ne.jp/fork/back94.html


 売る側と作る側の境界がなくなる傾向が強くなっているパソコン業界。だからといって,秋葉原からパソコン販売店がなくなることはない。だが,共存するのが難しいことも,当然みんな気付いていて…。

 アップル社は今年のクリスマスシーズン,新型iMacで,デジタルビデオカメラをセットで購入できる1%ローンと,200$のリベートプログラムを世界同時で行う予定だ。その労力のため,新しいパワーブックG3の発表は遅れそうだが,それにはもうひとつ,新しいノートブックの存在も噂されている。その他,OS9でアップル本社の写真が出るイースターエッグ,2000年初めのiBookのスペックアップモデルと500MHzのiMac,アップルワークス6.0,IBM社のG3,G4の発表予定,ATI社のオーロラプロジェクトなどの話題が取り上げられている。

 連休の初日,秋葉原のT-ZONEに用事があっていくと,iMacがタイムセールとかで99,800円で売っていた。2日前のこの欄でも触れたように,iMacは16日の新型モデル登場とともに,現行機種は99,800円に価格変更される。だが今,店頭在庫を抱えている販売店にとっては,16日から値下げされる商品をそのままの価格で置いといても誰も買うわけがない。だったら早めにその価格で売りに出したほうが特だろう。今回の価格改定は,事前に販売店側には知らされておらず,戸惑いを含んだタイムセールかもしれない(MacWIREの記事)。

 アップルと販売店の関係は,流通在庫の不手際や,iMacでの販売店絞り込み,アップルストアの開店などで,あまりいい関係とは云えない。アップルの姿勢もわからなくはないのだが…。デジタルビデオカメラとのセットはアップルストアでも行うのかな? いままで,マックを支えてくれた販売店に,なにかしらのものを提供してもらいたいものだが…。




  [1999.10.10]
  お買い物相談役をめぐる争い


 ▼『マックOS 9』のオークション検索機能にイーベイはどうする?(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/3177.html


 ウェブで買えないものなんかなくなった。ただ,商品を探しだすまでが面倒と云えば面倒。ウェブショップのための「東京ウォーカー」を角川書店が出すのは,いつかな?

 米国アップル社が10月23日に発売するマックOS 9の目玉ソフト「シャーロック2」に,米国イーベイ社が反発している。シャーロック2は,イーベイやアマゾン・コムMSNなど主要な電子商取引ウェブサイトやオークション・サイトを横断して商品を列挙する。ユーザーはイーベイのサイトを訪れることなく,商品を検索し,価格や,入手可能かどうかを調べることができる。イーベイ社は他のオークション検索エンジンにも掲載中止を申し入れており,アップル社にも連絡をとっているという。

 イーベイは,オークションサイトのなかでトップの座を維持している。面白いネタもいくつかあって,臓器が売りに出されたり,赤ん坊が売りに出されたり…(過去記事)。シャーロックの機能はきっととても便利だろう。どこで買えば一番安くていいものが手に入るかが,商品名を入れてボタンを押すだけでわかってしまう。記事中にもあるが,MSもブラウザに似たような機能を当然つけてくるだろうことは予想される,その便利さに魅せられて。

 日本でも,大手で初めて,Yahoo!Japanオークションを始められた。その中には,あの発売後20分で売り切れたアイボ君も売りに出されている(ここ)。きっと思わず欲しいと思ってしまう商品が必ずある。または手元に売りに出したい商品があるかもしれない。買い物はウェブで,そしてそのナビゲーション役をめぐる争いも熾烈になりそうだ。




  [1999.10.09]
  IP撒く人


 ▼10万円を切るデスクトップ「Aptiva」がトップ快走(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9910/08/ibm1.html


 安さだけがこの世の真理ではないけれども,安い価格でのIPの提供は,次の“儲け”に繋がるかもしれない。

 日本IBMが9月1日に発売した,99,800円のパソコン「アプティバE 2190-0J5」が大ヒットしている。スペックは15インチCRT,K6-2 400MHz,64MBメモリ,6GBハードディスク,40倍速CD-ROM,56Kモデム。MSオフィスではなくロータス・スーパーオフィス2000が付いている。ウインドウズ98は付いているが,セカンド・エディションではない。このパソコンで一番高いパーツはウインドウズ98のライセンス料だという。IBMはこの機種で,コンシューマー向けデスクトップ市場のシェアを5〜6%から19%にまで跳ね上げた。

 iMacがゆっくりとフェードアウトしていくのに代わって,うなぎ登りの勢いで売り上げを伸ばしたのがこのIBMのモデル。もともと安い価格だったらパソコンを買おうと思っていた人が,10万円以下と云うインパクトのある価格で一斉に買いに走った,と云う感じか。この10万円以下の市場は,すでに米国で大きな勢力となっているように,日本で先手を打ったIBMは賢かった。後を追うようにアップルは,新型iMacの発売と同時に,現行のiMacを99,800円で発売すると発表した(Nikkei Biztech Newsの記事)。新しい機能がなかろうと,OSやバンドルソフトがちょっと落ちようと,安さが購入の一番のファクター,と考える購入層は確実に大きい。

 IBM社員の「(IBMは)今後はこの(低価格の)カテゴリーで勝負をかける。ハイエンドのAV対応デスクトップとかは,ソニーさんとかにお任せですね。もうやらない」というきっぱりとした決意表明は聞いていて気持ちいい。ある意味,格安でIPにつなげることが,パソコンメーカーの命綱になる可能性は高い。インターネットのためにパソコンを買う,インターネットにしかパソコンを使わない人は,とてつもなく多い。繋がった人間は,繋がった気持ちを維持しようとする。携帯電話の急激な普及と論理は同じである。そして,より快適に繋がることを欲することからの買い替えも期待できる。または,持ってるものでできるならとDVでも3Dでも利用してもらえれば,やはり買い替えを促進できる。IPをばらまく,そこから稼ぐのが,eBusiness,かな?

 追記:ソーテックやデルやコンパックなんかも10万円以下パソコンを出してるやん,と突っ込まれました。確かに,その通り。まぁIBMというブランドの高さと10万円以下という価格が絡まった結果としての大ヒットなんでしょうね(いやべつに,ソーテックやデルやコンパックのブランドが低いと云ってるわけぢゃなくって(^^ゞ)。




  [1999.10.08]
  秘密結社をぶち壊せ


 ▼『エシュロン』を陥れるハッカーたち(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3170.html


 この世界を管理できるものがいるか。この世界を律することができるものはいるか。いる,それは確かに存在しえる。だが,その者を殺すことができるものもいる。だからこの世界は現実とは違うのだ。

 米国安全保障局(NSA)と英国の政府通信本部によって管理されていると云われている,エシュロン(Echelon)に対する反発が強まっている。エシュロンは,電子メールや電話,ファックスなどのあらゆる会話をチェックしていると噂される実体の見えない世界規模のコンピューター・スパイ・ネットワーク。例えば,電子メール内に,モサド,爆弾,ダビディアン,MI5,などの言葉をスキャンすると,そのメールを保存してしまう。電話も音声認識で自動的にスキャン,ヒットしたものは当局間で共有されてしまう。エシュロンは,国際テロリスト,麻薬の元締,国際犯罪者を追跡するのに使用されているというが,セキュリティー保護運動家やサイバー活動家などは,エシュロンを罠にかけようと画策している。

 東西の冷戦構造が崩れ,スパイというものの存在意義が失われていく現代に,降って湧いたようなコンピューター・スパイ組織,エシュロン。大規模なコンピューターシステムを使い,米国国内,ヨーロッパ全域の電子通信をスキャンしている,と云われている。笑ったのが,ウィンドウズOSの中にエシュロンが入り込むための裏口の鍵である「_NSAKEY」があるという報道(WIRED NEWSの記事)。だがそれも,このエシュロンの存在がちらちらしていたことが,MSへの非難を大きくした。ハッカーたちはわざとエシュロンがスキャンする言葉をメールに使い,エシュロンの活動を阻害しようとしている。

 ワイヤードを,混沌としたカオスとして捕らえたとき,そのような秘密結社は存在しえないように思うのだが,実は,そんなことはないのかもしれない。どんなところにも規則と規律は生まれる。だが,ワイヤードでは,その規則や規律を壊すこともまた容易である。枠組みは作られても,その枠組みはとても脆い。存在の証されていないエシュロンに対する,絶えざる攻撃は繰り返されるだろうナ。




  [1999.10.07]
  雲間にかすむ星空


 ▼ネットスケープ幹部がまたAOLを離職(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/1999/Item/991006-4.html


 ワイヤードの魂であったソフトウェア。致し方ない時の移り変わりなのか,自己中心的企業の無能さなのか,今,その灯は,薄くたゆたう。

 元ネットスケープ社上級副社長で米国AOL社副社長兼ネットスケープ・ビジネス・ソリューションズ責任者,ローリー・ミレク氏が辞任していることがわかった。つい先週,ネットスケープの中心的幹部だったバリー・アリコ氏が総責任者代理のポストを降りたばかり。また先月はネットスケープの創立者のひとり,マーク・アンドリーセンが,最高技術責任者の職を退くなど,AOLからネットスケープ幹部の離職,ポストの辞任が再び相次いでいる。

 先週,ネットスケープ・コミュニケーターはVer.4.7をリリースした。だが,マック版ですぐわかる変更といえば…「Shop@Netscape」ボタンぐらいか。あとは,若干だが起動が速くなったことと描画速度が上がったこと(ほんっっとにわずかに),バグがいくつか解消されたこと。ひと言で云えば大きな変更はないということ。AOLは5.0へのメジャーアップグレードまで大きな変更は行わないと公言している。だがそれは,「行えない」が正しいのかもしれない。

 遅々としているmozilla.orgプロジェクト(Milestone 9はかなりエレガントになってきているが…)。なによりネットスケープ・ナビゲーターを築いてきた技術者は,多くがすでにAOLを離れている。「Shop@Netscape」ボタンは所詮,AOLのショッピングモールへと導くためであり,ユーザーの意志とかけ離れた機能でしかない。AOLは,ポータルとしてのネットセンターを目的として投資したが,結局はブラウザの質の向上を怠り,ポータルのアクセスを減らすという悪い方向へと向かっている。もともとネットスケープとAOLは,社風の違いが激しくすみやかな併合は難しいと云われてきた。インターネットと云うものに対する理念の違いも,甚だしく大きい。その合間に消えていく,ネットスケープの星空…。現在のネットはその拡大の始まりにネットスケープがあった。いわば“魂”だ。その喪失はなんとかして防いで欲しいと思う,是が非でも。




  [1999.10.06]
  神の領域へ


 ▼Microprocessor Forumでチップ各社競演(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9910/05/intelamd.html


 「人はもはや進化をしない生き物ではないのか」。その代わりと云ってはお門違いだが,チップの進化はやがて人を置き去りにしていくだろう。人の踏み込めぬ,神の領域へと進むチップ,結局,地から足を離すことができぬ人間…。

 チップ・メーカーは今週のマイクロプロセッサー・フォーラムに向け,動きが激しい。AMDは4日,700MHz版アスロンを発表。それにともない650MHz,600MHz版を値下げした(日本での価格はCPU最安値情報がわかりやすい)。また,サーバー向けに特化したアスロン・ウルトラチップを積んだサーバー機をフォーラムで公開する。対するインテルは,新しいペンティアム3のベースとなるコッパーマイン技術の詳細を明らかにするとともに,サーバー向けペンティアム3としてのジーオン600MHz版と667MHz版が発表される。また正式にブランド名が発表された64ビットプロセッサー,アイテニアムの詳細も披露する(すべて予定)。

 トランスメタの話題だけだと,浮世離れしそうなので(^^ゞ,大手2社の話も。7月29日のこの欄で,アスロンとペンティアム3の600MHz版を取り上げたのに,2ヶ月ちょっとで700MHzのチップが正式に発表される,600MHzは大幅に値下げされる。人はチップの進化の過程の前では,退化を必然とする生き物と思われるように…。そしてさらに,64ビットチップ,アイテニアムも徐々に表に出始めた。Daiki's pc-infoによると,AMDもK8,スレッジハマーと呼ぶ64ビットチップの概要をフォーラムで発表するという。アイテニアムの現行32ビットとの互換性の悪さを取り上げ,AMDはその互換性の良さを売りにする戦術をとる方針も描き出されている。

 現在,64ビットチップは,主に高性能のサーバー・ワークステーション向け。1秒間に60億回の浮動小数点演算をこなすその性能は,神の領域に踏み出すものと云われている。そして,現在の進化のスピードをかんがみると,パーソナルなコンシューマーPCにそれが乗る日も,そんなに遠い先ではないことが感じられる。神の領域がパーソナルの机に舞い降りてくる,その時,机の前の人は,いかなる姿になっているのか,想像がつかない。…PCチップは一歩ずつ,そこへ歩みを進めている。




  [1999.10.05]
  宇宙は遠いからこそ宇宙


 ▼宇宙に観光旅行(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/3145.html


 宇宙の広さとワイヤードの広さは同等である,という報告をする科学者。宇宙が常に膨張し続けるように,ワイヤードも膨張し続ける。もし宇宙に旅立つのが難しければ,ワイヤードに旅立てばいい。同じだけの好奇心と興味と,ちょっとの切なさを味わうことが出きるだろう,と科学者は最後に付け加えた…。

 現在,何十もの宇宙旅行関連の企業が,最後の開拓地である宇宙を,次なるハワイにする方法を見つけようとしている。米ゼグラーム・スペース・ボヤージズ社は,フライト・ツアーを2002年後半に予定している。フライトは150分間,7日間の訓練パッケージが付く。旅客は地上100キロまで上がり,そこで2分間の無重力を体験し,地球の丸さを観察する。価格は,10万ドル。

 米国の成人の1/3が宇宙への旅行に5000ドル以上を払う意志があるという。地球上でまだ誰も行ったことがない,それでいて観光として楽しめる所がなくなってしまった今,宇宙は最後のスポットである。だが,果たして宇宙はたやすく扉を開いてくれるのか。

 有名な話だが,あのアポロの月面着陸は嘘だったんじゃないか,というのがある。その証拠にあれから30年以上経ったというのに,火星へ行くどころか月にもう一度行くこともできずにいる。もしやあの月面着陸は米国とソ連の宇宙開発合戦にけりをつけるため,米国が打った芝居だったんじゃないか。宇宙からの映像は,無人衛星からの映像をつなぎあわせるのは簡単なことだし,月着陸の映像も,当時のハリウッドのスタジオにセットを組んで,映像を加工して流せば,同じものができた。第一,月から持ち帰った石とか大気とかからなにか有意義な発見が報告されたかい? 結局たいした発見はひとつもない。今だ人間は宇宙飛行高度よりも遠くへは行ったことはない,というのだ。まぁその真偽は置いといて,宇宙はたやすくはない,と云うことだけは真実のようだ。




  [1999.10.03]
  秘密のメッセージを探り出せ!


 ▼インテルを狙う秘密主義の新興企業,トランスメタ(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/1999/Item/991001-1.html


 秘密なんかない,と彼は云う。そしてそれしか云わない。本当に秘密のない人間は,もっと冗舌なものだったりする。

 謎に満ちたシリコンバレーの新興チップメーカー,トランスメタ社に9月29日,新しい特許が付与された。これは,インテル社が防御している2つの主要特許を回避しつつ,インテルチップをエミュレートできる可能性を秘めている。これが製品化された場合,トランスメタはインテルにライセンス供与料金を払わずに済み,安い価格でチップを販売できる。トランスメタの最新の特許は,プロセッサーの状態を一時的に保持しつつ,処理を行っていくというもの。これは,インテルチップ向けの命令を変換したものを保持し,2度目からは保持したものを利用することで素早く処理を実行できる結果に結びつけられる,と考えられている。

 謎の企業,トランスメタ(過去記事)の謎の一部が,またちょっとだけ顔を出した。実質的に,トランスメタ社がなにをやっているのかが表に出たのは,前回(CNET Japanの記事)と今回の特許付与時のふたつだけ。4日からのマイクロプロセッサー・フォーラム,11月のコムデックスで,なんらかの発表が行われると噂されているだけにいろいろと動きがある。ソフトによってインテルチップ向けの命令,またはそれ以外のOSの命令を,トランスメタのチップが理解できるように翻訳し,今回の特許にもある設計で,高速にエミュレートする。う〜ん,このアウトローでイリーガルっぽい,それでいて洗練されているスマートな無駄のない生き方(か?),わくわくしてしまう。

 それにしても注目されるのはトランスメタ社のウェブサイト。「まだホームページはない」のひと言だけ書かれている。思わずソースをのぞくと,「このソースに秘密のメッセージなんかないんだったら」って書かれてる(^^ゞ。意図的なこの秘密主義の内幕が,はやく知りたいゾ!




  [1999.10.02]
  アンリアルの戸惑い


 ▼茨城県 東海村 臨界事故リンク集
  http://www.zorro-me.com/miyazaki6/txt/to-readers/nuclear.html


 切り傷を負うには,痛みが伴う。やけどを負うには,熱さが伴う。それが,リアルである証しとも云える。だが,リアルではない社会がリアルを覆っていく,その一過程にある,混乱。

 9月30日の午前中,茨城県東海村の民間ウラン加工施設「ジェー・シー・オー」で,日本初の重大な原子力事故が起こった(asahi.com)。被爆者は10月1日の昼の時点で49人となっている(科学技術庁)。事故原因は作業員の認識不足による指示ミスの可能性が報告されているが(Bloomberg.co.jpc),それにより核分裂反応が起こり,臨界状態を引き起こされた。核燃料サイクル開発機構のページで放射線が異常に放出された様子がうかがえる。現地のスーパー・コンビニでは,ミネラルウォーターを求める客が殺到。店舗側はカップ麺なども含め供給するとともに,安全性が確保されないおでんなどの販売を控えている(Bloomberg.co.jp)。また日立製作所は,現地のLSI向上の操業を停止(Nikkei BizTech News!)。チップ株価の若干の上昇が引き起こされている(WIRED NEWS)。

 あまりにもわかりやすい重大ニュースなので,掲示板の書き込みで最初に見たときは冗談かと思っていたが本当だった…。原子力工場が事故を起こして放射線が放出,半径350m圏内の住民に避難命令,政府による対策本部の設置,とまるでシナリオのような展開。こんな事故が起こるんだなと,呆れるのが第一だろう。

 TV画面の向こうのただならぬ気配。もちろん,ただならぬ事故であるから当然なのだが,問題は,なにも目に見えない,ということ。無色透明で,触感も感覚も役に立たぬ放射線が,そこにある恐怖は,言葉に表せない。チェルノブイリでは,被害者の救出に向かった救助員が不用意に放射線を浴びて,そのほとんどの人たちが亡くなった。そこにあるのは,リアルではない恐怖だ。怖さも痛さもないものが死に至らしめる。リアルワールドが,リアルを失っている,分かりやすい事例,かもしれない。




  [1999.10.01]
  オールウェイズ・バグズライフ


 ▼IE5の新たなバグと戦うマイクロソフト(CNET JAPAN)
  http://japan.cnet.com/News/1999/Item/990930-2.html


 さあ,バグズライフの始まりだ。ただしあんまり見慣れてしまうとつまらない。ときに,重大に,問題たっぷりに出てきてこそ,面白い,の,だ,が…。

 マイクロソフト社はインターネット・エクスプローラー5.0に発見された新たなバグについて,「この脆弱性は,主にネットに接続されたワークステーションに影響を与える」と28日,警告を出した。このバグは,ユーザーのハードディスク上のテキストファイルを,ウェブ管理者が読めるようにしてしまう,というもの。マイクロソフト社は現在,この問題に対処するためのバッチを作成中とのこと。

 MSの製品にバグが見つかったこと自体は,あまりにもしょっちゅうあることなので,たいしたニュースになりえない。本来,大きく取り上げられなくてはいけない問題なのだが,ここまでしょっちゅうだと,なんか日常の出来事のように軽くながされてしまう。大きく取り上げられないから,批判もされない。これもまたビル・ゲイツ氏の計算だとしたら,それはすごいねぇ(^^:)。

 それにしても,このバグの頻発の原因はいったいなんなのだろう。ソフト製作者の技術力の無さなのか,それとも制御できぬほどのより高い機能を追及していることの証しなのか。ブラウザに限れば,バグはセキュリティーシステムの甘さが原因であることがほとんど。そしてそれは,製作者のセキュリティーに対する意識を反映させる,如実に。世間を飽き飽きさせるほどのバグをひとつひとつ数えてみる,そして考えることは,必要なことだ。




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